一冊出版して終わる著者が多すぎる現実
せっかく出版しても、1冊出しただけで終わってしまう著者はとても多いです。
1冊出版しても、その効果は大体3年くらいです。
すでにお伝えしたので、覚えていらっしゃると思います。
出版することでブランディングやビジネスの加速につなげるには、1冊出版して終わるのではなく、継続して出版できるようにすることを考えてください。
本書の5章でお伝えしたように、「著者の3割バッターの法則」がありますから、まずあなたができることは、1冊目の著書をとにかくしっかり売り切ることです。
ただ、あまりに次の書籍を出版することに囚われすぎると、インプットとアウトプットのバランスが崩れ、書籍のクオリティが担保できなくなってしまいます。
書籍のクオリティが担保されないと、読者の満足度が下がり、結果的に著者寿命を縮めることにもなりかねません。
1冊目を出版してその売れ行きが良い場合、他の出版社から声がかかることもよくありますが、インプットとアウトプットのバランスに注意してください。
慌てたところで、いいものが作れなければ、いい結果にはなりません。
書籍の出し過ぎというのもおかしな話かもしれませんが、出版の頻度には要注意です。
複数の書籍を出版してブランディングする方法
たった1冊出版しただけではその効果は限定的となってしまいますが、複数の書籍を出版できれば、より高いブランディング効果を得られるようになります。
出版したいという人はたくさんいたとしても、実際きちんと出版を実現させられる人は限られます。
出版という道を志す途中で挫折してしまう人たちの中には、著者になるという覚悟が持てずに断念される人も少なくありません。
でも、無事に企画書を通し、書籍の原稿を書き上げ、さらには刊行後の販促活動もしっかりと頑張ってきたあなたには、その覚悟が備わっているはず。
複数の書籍を継続的に出版するというのは、けっして簡単なことではありませんが、きっとあなたなら掴み取っていけるでしょう。
複数の書籍を出版することで、ブランディングする方法としては、次のような3つがあります。
売れやすいカテゴリーから出版する
自分の得意なカテゴリー、書きたいカテゴリーがあったとしても、その時の流行や類書の売れ行きによっては、希望のカテゴリーで出版してもうまくいかないことが予想される場合もあります。
そんな時は、まず自分が売りやすいカテゴリー、売れると思えるカテゴリーから攻略します。
複数の書籍を出版していきながら、徐々に本命のテーマに寄せるという方法です。
カテゴリーごとに出版する
カテゴリーごとに出版していく方法とは、大カテゴリーは同じでも、小カテゴリーでいくつか出版し、面で攻めるというものです。
例えば、あなたの専門がWeb集客だったとします。
この時、Web集客という切り口で出版しても、やや抽象的な切り口なのであまり読者に必要だと思ってもらえない可能性があります。
でも、Twitter集客、Instagram集客、ブログ集客などと、Web集客という大きなカテゴリーは同じでも、小さなカテゴリーとしては異なる書籍をいくつか出版すると、「Web集客に詳しい人」というブランディングができます。
ベストセラーを狙ってみる
実用書は具体的な内容がコンテンツになりますが、複数の出版ができるようになったら、内容を抽象化して一般書にチャレンジしてもいいかもしれません。
一般書で挑戦する場合は、その時に売れている書籍の切り口やテーマを変えてトレースするイメージで応用し、企画を立ててみるといいでしょう。
このように、戦略的に考えながら複数の書籍を出版し、著者としてのブランディングを強固なものにしていってください。
私は編集者である側ら、出版プロデューサーでもあります。
その出版プロデューサーとして多くの著者になりたい人たちを接するのですが、その際にいつも考えていることがあります。
それは、出版することで幸せな著者になってもらいたいということです。
書籍には、魔力があります。
それは、人の人生を大きく変えてしまう力です。
この力は、扱う人によって如何様にもなります。
間違った使い方をすれば、人を豹変させてしまいますし、正しい使い方をすれば、より多くの幸せをもたらしてくれます。
多くの著者を見てきて、全ての人に対し同じ内容のアドバイスを行い、著者としての立ち振る舞いなど、注意すべきことや伝えられるノウハウは包みかくさず全て伝えるようにしています。
しかしながらその結果は、見事なまでに人によって違います。
また、書籍によって変わる可能性があるのは、著者だけではありません。
読者にも大きな影響をもたらします。
いくら実用書とはいえ、その存在は読者の悩みや欲求に対して向けられる内容です。
ということは、あなたの書籍を手に取った読者が、あなたの書いた内容によって救われることも大いにしてあるということです。
「救われた」まではいかずとも、書籍をきっかけに著者と知り合い、人生が変わるような出会いを経験している読者は少なくありません。
このように、出版の向こう側には、素晴らしい人との出会いや、新しいステージへと引き上げてもらえるような仕事との出会いが待っているのです。
幸せな著者になることは簡単ではありませんが、決して手の届かない世界の話ではありません。
本書を通して正しい出版の方法を知り、正しい手順で行いさえすれば、必ず実現させられるはずです。
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