書籍は出版するまでより出版されてからが大事
出版企画書が採用され、無事に書籍の原稿も書き上げることができた。
そこまで来れば、あなたの著者としての人生の幕開けはもうすぐそこまできています。
できるだけ息の長い幸せな著者人生を歩むため、そして出版の本当の目的であるビジネスを加速させるためには、これからお伝えする刊行された後のあなたの振る舞いがとても重要です。
書籍は、出版するまでよりも出版されてからの方が大事です。
というのも、書籍が刊行された時点では、まだ出版社は完全な赤字状態だからです。
あなたの可能性を信じてあなたに投資した出版社にきちんと恩返しができるのかどうか。
あなたの真価が問われるときだと言っても過言ではありません。
書籍の原稿執筆は、決してラクな作業ではありません。
それに、その前段階である企画書を通すことだってひと苦労。
だからなのか、その成果物として書籍が出来上がってしまうと、それでやれやれと満足してしまう人も多いのが現実です。
しかし、ここでのんびりしていてはいけません。
自分が何のために出版をしたのかを思い出してください。
書籍の発刊後、あなたがすべきことは、ビジネスを加速させられるように、書籍をとにかく必死で売ることです。
書籍の刊行後、あなたが常に頭に入れておくべきことは3つあります。
まずは、出版することだけを目的にしないということを忘れないこと。
次に、とにかく書籍を売ること。
最後に、きちんとビジネスを加速させることです。
出版することだけを目的にしないというのは、どういうことでしょうか。
私はこれまで大勢の著者を輩出するお手伝いをしてきましたが、中には出版することだけを目的にしていて、言葉通り出版しただけで終わってしまう人もいました。
出版すれば何とかなると思う人もいますが、本当に何ともならないことが多いのです。
出版社から300万円という高額な投資を受けて、晴れてあなたは著者デビューとなったわけです。
でも、著者という肩書きを手に入れたからといって、何もしないでいては、なかなか書籍は売れませんし、あなたのビジネスだって加速はしません。
出版の世界というのは、書籍が毎月何百冊も刊行されていますから、入れ替わりの激しい世界です。
そんな激しい競争の中で、まだ無名の著者が1冊出版したところで、爆発的に書籍が売れることなどほぼありません。
かといって、新刊が出たといって著者が頑張れるのは大体半年くらい。
それ以降は、鮮度も落ち、売れ行きが落ち着いてしまいますから、著者がひとりで頑張ってもなかなか難しいのが現実です。
ということは、刊行されてからの半年間、まずは少なくとも損益分岐点まで書籍を売ることに注力すべきなのです。
その期間での頑張りによっては、次の出版につなげられるかどうかも変わります。
著者として書籍の売れ行きが3割以上が理想
次の出版につなげる話をしましたから、ここで、著者として書籍の売れ行きがどのくらいあれば2冊目、3冊目と次の書籍が出せるようになるのかをお伝えしていきましょう。
出版業界ではよく、「著者の3割バッターの法則」と言ったりしますが、書籍の売れ行きが3割以上をキープしていれば次の書籍が出版できるということです。
どういうことなのか、次の図をみて見てください。
1冊目の書籍がきちんと売れれば、10割のほうに進みます。
もしここでまったく売れなければ、0割なので次のチャンスは当然ありません。
でも、10割の方へ進むことができれば、2冊目を出版することができます。
2冊目もきちんと売れればいいのですが、もしここで売れなくても、成績は5割。
3割以上をキープできているので、実は3冊目も出版可能です。
では3冊目。
2冊目も売れずにもし3冊目もあまり売れなかったとしましょう。
でも、まだここでは成績は3割3分で、3割以上をキープできているのです。
ということは、4冊目の出版も可能というわけです。
ここからもわかるように、1冊目はかなり重要です。
もはや1冊目の成績が著者人生を決定づけると言っても過言ではありません。
とにかく出版社に損はさせないことを意識する
1冊目を売ることの大切さはおわかりいただけたでしょうか。
最初の書籍を必死で売ることは、あなたのためでもありますが、出版社への恩返しにもなります。
無名のあなたの可能性を信じて投資した出版社に対し、少なくとも損をさせないような努力はしてもいいはずです。
そうして努力した先、結果的に書籍が売れるとどうなれるのでしょうか。
もちろんあなたにも出版社にも利益がもたらされ、あなたのビジネスが加速していくことでしょう。
でも私は、著者としての出版の本当の価値は別のところにあると思っています。
それは何かというと、多くの人に書籍を届けた結果、どれだけの人の人生を好転させられたのかということです。
どれだけの人の人生を好転させられたのか、その総量が著者の価値であると考えます。
ただ出版して自分だけが幸せになるのではなく、書籍を通してひとりでも多くの読者を幸せにできるような著者を目指して欲しいところです。
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