書店ではジャンルごとに書籍が並んでいる
「なんかいい企画、ない?」という言葉、出版業界では日常的に飛び交っています。
もしかしたら、あなたも自分の本業をしている中で、そんなことを言われたことがあるかもしれません。
いい企画というのは、パッと閃くものだと思われがちですが、企画が閃くには、それなりにあらかじめ情報を集め、それらを自分の中に蓄えておかなくては難しいです。
材料が何ひとつ揃っていないのに、なにか美味しい料理を作ってくださいと言うようなものです。
企画を考えるのに必要な情報は、何よりターゲットとなる読者に関することです。
ターゲットのことを知り、その人たちが何を求めているのかを把握できなければ、当たる企画にはならないからです。
ターゲットのニーズにきちんと刺さる企画を立てられるようするため、あなたが考えるべきことはなんでしょうか。
ここでは、そのことについてお伝えしていきます。
書店へ行くとわかりますが、書籍はジャンル別に棚に置かれていますね。
書店を訪れたお客さんがわかりやすいよう、そのような置かれ方になっています。
企画を考えるときは、まずへ書店へ行ってみてください。
書店に行ったら、ここで、自分の立てた企画で出版するとしたら、書籍がどの棚に並びそうなのかをチェックしてみてください。
主婦の人へ訴求したいのであれば、主婦の人が行きそうな棚をチェックします。
書籍がジャンルごとに置かれるということは、その棚にくる人たちが、自分の想定するターゲットと合致しているのかが重要です。
ですから、企画も狙いたいターゲットが訪れる棚に置いてもらえるような企画にする必要があります。
意外と知られていないのですが、書籍をどの棚に置くかを決めるのは、書店員の采配です。
こちら側から各書店に対し「この書籍はこのジャンルの棚に置いてください」とコードで指示はしているのですが、ほとんど見られることもなく書店員の采配で置かれます。
ということは、書籍を並べる時に、どう判断されるかということも踏まえて企画を考えなくてはならないのです。
アフィリエイトのことが書かれた書籍であれば、パソコン書の棚を狙うのか、副業の棚を狙うのか、どちらの棚に置いてもらいたいかを考えてみてほしいのです。
書店に訪れる人たちは、それぞれがどういう悩みを持っているのかによって、向かう棚が違います。
あなたがバックエンド としてアフィリエイトを教えたいと考えているとしても、パソコン書の棚に置かれることがいいとも限りません。
まだアフィリエイトという選択があることを知らない人だっているでしょうし、間接的集客を狙い、副業の棚に置いて気付かせるというのもありでしょう。
このように、自分はどのジャンルを狙うべきかを考えるときは、ターゲットの欲求や悩みからジャンルを考えてみてください。
また、書店の棚をチェックされるときは、その棚に並ぶ書籍が、どのくらいのペースで入れ替わっているのかを定期的に確認するようにしましょう。
入れ替わりが激しい場合は、それだけ参入余地があるということです。
一方で、なかなか書籍が入れ替わらず、ずっと長期で同じ書籍が並んでいる場合は、その棚の参入余地はあまりないかもしれません。
書店を訪れる人の多くは、目的を持って訪れることが多いです。
要するに、どの棚へ向かうのかが予め決まっているということです。
近くにどんなにいい書籍が並んでいたとしても、自分の目的と違う棚にあるものは見向きもせず、目的の棚へ一直線で向かいます。
ですから、自分のビジネスのターゲットとなるお客さんが、狙った棚にきちんと来るかどうかを考えてください。
ターゲットとなるお客さんが、必ず立ち寄るようなジャンルの棚に置かれるような企画になっていることが大切です。
狙ったジャンルの中で一番いい書籍を企画する
毎日何冊もの書籍が発刊されるわけですから、それに合わせて書店に並ぶ書籍も日々入れ替わっています。
当然、売れていない本は差し替えられていきますから、今現在棚に並んでいる既刊書は、ある意味熾烈な競争を勝ち抜いた精鋭たちともいえます。
そんな競争を勝ち抜いた既刊書たちの中に、あなたの書籍は参入していくことができるでしょうか。
参入し、できるだけ長く棚に置いてもらえるようにするため、既刊書の隙間を狙えないかどうか考えてみましょう。
いくつか既刊書の中身を見てみると、いろいろなヒントが浮かんできます。
月に一度でもいいですから、必ず書店に足を運び、定点観察をしてみるといいでしょう。
実際私も、いまだにそうしています。
自分の書籍が定番本として置かれるにはどうすればいいのか? あるいは、長く書店に置かれるにはどうすればいいのか? ということを考えてください。
一冊一冊を手に取り、丁寧に見てみるのも良いですが、棚全体を俯瞰して見ることも忘れないようにしましょう。
ターゲットが検索で使うキーワードを考える
多くの人が書店で書籍を購入しますが、近年、Amazonなどのネット書店で購入する人も随分増えました。
ネット書店を利用する人たちは、あらかじめ購入する書籍のタイトルが決まっている場合もありますが、抱えている悩みから検索して書籍を探すケースもあります。
実用書の場合、悩みや欲求にリーチする内容で作られますから、このような検索されるときにヒットさせて気付いてもらうということができます。
ですから、書籍のタイトルに、ターゲットが使う検索キーワードを含んでおくと、ネットで見つけてもらいやすくなります。
ちなみに検索キーワードを考えるときは、複数のキーワードで考えられると尚良いです。
キーワードが増えれば増えるほどターゲットを絞り込むことができ、検索する人に「自分のための本だ」と気付いてもらいやすくなるからです。
どんな検索キーワードを使ったらよいのかは、キーワードツールを使って調べてみましょう。
初心者でも使いやすいツールとしては、「ラッコキーワード」と「Aramakijake」というツールがあります。
ツールを使って調べ、大体月に5000回くらい検索されているキーワードであればいいでしょう。
たとえ本が知られていなくても、検索して買われることがあるのが実用書のメリットです。
書籍のタイトルだけでなく、商品説明のところにもキーワードが入っていることで、検索で見つけてもらえ、購入してもらえることがあります。
ターゲットが求めている内容で企画を考える
企画を考える際、多くの人が自分の書きたいことを書いてしまいがちです。
でもそれは一般書の考え方であり、実用書の企画の考え方ではありません。
あくまで実用書として出版を狙う以上、読者の悩みや欲求に訴求したものでなければ買ってもらえないからです。
悩みや欲求に訴求した内容を企画にする場合、あなたがどのような立場としてその書籍を書くのかによって、伝え方が異なります。
実用書の場合、著者としての立場は、「実践者」あるいは「専門家」の2つのパターンがあります。
あなたが「実践者」として書くのでしたら、何か特別な資格を持っているとか、専門の学校を出ているというようなしっかりした肩書きがなくても構いません。
実践者ですから、重視されるのはあなたの実績。
読者から納得してもらえるような実績があればいいのです。
一方、「専門家」として書く場合はどうでしょうか。
専門家としてなら、やはりそのカテゴリやジャンルにおいて有名な資格を所有しているなど、客観的に誰もが認めてくれるような肩書きを持っている必要があります。
実践者か専門家、どちらの立場で書いた方がいいのかは、もし自分が深刻な病気にかかったらどういう行動をするのかを考えてみるとわかりやすいです。
自分が病気になった時、頼りたいのは専門家であるお医者さんですよね。
実践者である同じ病気を克服した人の話を聞くことがあるかもしれませんが、その際は、あくまでも参考として話を聞かれると思います。
このイメージが、実用書における、実践者と専門家の違いです。
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