とことん商業出版にこだわるべき理由

商業出版とは違う出版形態には要注意

商業出版と対になって話される出版形態が、自費出版です。

自費出版とは、文字通り自分でお金を出して書籍を出版するというものです

 

自費出版だと書店には書籍を置いてもらえないという人もいますが、そんなことはありません。

書店によっては、自費出版コーナーを設けているところもあります。

それはどういうケースかというと、自費出版をしている出版社が、書店の一部を、お金を出してレンタルしスペースを確保しているのです。

自費出版は著者が自分でお金を負担して出版するのですから、もちろん自分の好きなことを書くことができます。

しかしながら、自分の書きたいことを書いたからといってビジネスが加速するわけではありませんし、商業出版の一番のメリットとなる、第三者からの認定がありません。

ですから、いくら出版したと言って見せたところで、他人から「すごい」と思ってもらったり、仕事を頼みたいと思われたりすることはほとんどありません

 

既にお伝えした電子出版も、先ほどの自費出版と同様の形態です。

商業出版された書籍の電子化ではなく、制作費を負担して出版する電子書籍の価値は、やはり自費出版とほぼ同じです

 

他には、オンデマンド出版という出版形態もあります。

オンデマンド出版は、受注生産で行われ注文が入る毎に1冊ずつ印刷されます。

また、書店に流通することはなく、Amazonのみでの販売です

 

今紹介した3つの出版形態は、どれも自分でお金を負担して出版するもの。

自分でお金を負担して出版することはダメというわけではありませんが、ブランディングという観点から出版を捉えるならば、やはり第三者からの認定があることが重要です

 

第三者から認定があり、きちんと編集者が介在して書籍が作られることで信用や信頼が得られるわけです。

そしてその得られた信用や信頼によってビジネスが加速していくわけですから、いずれにしてもこの3つの出版形態では、ビジネスを加速させることは難しいといえるでしょう。

 

一見、商業出版の出版社なのに…

一見すると商業出版のように見えるけれど、実は著者側に費用を負担させる方針の出版社もあります。

ケースとしては、次のようなものがあります。

印税がもらえないケース

書籍が売れないと、出版社は赤字になります。

そのリスクをできるだけ最小限にするため、印税の支払いを少なくすることでカバーしようとする出版社は少なくありません

 

これまでの出版印税は、初版10%が平均的でした。

しかし現在は、出版不況の影響によって印税率は下がりつつあります。

それでも平均は8%。

大体6%から10%の間に収まるのが最近の一般的な傾向です(もちろん、著者の知名度などによって変わります)

 

でも近頃は、その印税が、1〜2%という出版社も出てきました。

他にも、初版の印税を0%にし、増刷印税を10%と設定するケース、あるいは実売印税といって、印刷した分の印税ではなく、実際に売れた分だけの印税を支払うというケースもあります

 

書籍がなかなか売れないという現実があるので、少しでもリスクを抑えるために印税の支払いを少なくしたいという出版社側の意向も理解できます。

しかしながら、印税を削ることで出版することのリスクを抑えようとする考え方をしてしまうと、刊行後にしっかり販促する意欲が湧きませんよね。

そう考えると、その出版社が皆さんの書籍を頑張って売ろうとしてくれるのか、少し疑問が生じてしまいます。

 

費用負担を迫られるケース

商業出版の体裁はありながらも、制作コストを著者側が負担することで出版させてもらえる出版社もあります。

誰がみても商業出版にしか見えないので、対外的にはいいのかも知れませんが、事情を知る人間が見ればすぐにわかります。

 

買い取りを強要されるケース

他には、買い取りを条件に出版させてくれる出版社というのもあります。

表向きには商業出版に見えますが、先ほどと同じく出版業界では、そのような方針をとっている出版社は既に知られています

 

著者の買い取りが条件ですから、初版の部数も少なめで1000部くらい。

初版1000部というと、一体どのくらいの書店に置いてもらえるのでしょうか? というくらい少ないものです

 

書店に置かれない書籍を出版しても、果たしてビジネスが加速するでしょうか。

ビジネスの戦略のひとつとして出版を選ぶのであれば、たくさんの書店に置いてもらい、できるだけ多くの読者の手に取ってもらうことを考えるべきでしょう。

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