あなたの書籍が刊行されて半年間の販促戦略
著者の力で書籍を売ることができるのは、大体半年だとお伝えしました。
ですから、この半年間はあなたにとって勝負の時。
書籍をしっかり売るために、半年間の販促戦略を立てていきましょう。
まず、刊行されてからの半年間を、3つの段階にわけて考えます。
その3つとは、予約段階、新刊段階、既刊段階です。
それぞれ、どのような段階であるのか、そして具体的にどのようなことをすればいいのかを順に説明します。
予約段階
予約段階とは、出版が決定した段階です。
すでにファンがいる人は、出版が決定したことをお知らせして、ファンの期待値を上げていきましょう。
書籍の予約ができるようになったタイミングでファンに促し、注文数を増やしましょう。
そうすることで、出版社のさらなる期待を引き出すことができます。
出版社の期待値が高まれば、書籍の販促に力を入れてくれるようになります。
新刊段階
新刊段階は、著者の影響力が最も出しやすい段階です。
新刊の時が一番書籍が売れやすい時ですから、より多くの書店に置いてもらえるようにするには何をするべきかを考えます。
新刊として書店に並んだ後、書店の中で動きがあれば、書店員も「この本は結構売れているかも」と気付いてくれ、よりいい場所に陳列してくれたりすることもあります。
既刊段階
新刊段階が落ち着いた後は、既刊段階へと突入していきます。
この段階では、一過性ではなく息の長い長期的な販促を考えるようにします。
できるだけ長く書店に置いてもらえ、定番本となるようにしていきましょう。
ネットを使った販促戦略
今の時代、書籍の販促活動をするのにネットを使わない手はありません。
ありとあらゆるメディアを使い倒して、書籍のプロモーションを仕掛けましょう。
ネット使った販促戦略として私がよく使うのは、AmazonキャンペーンとSNSによるプロモーション、そしてブログ上でのセールスです。
Amazonキャンペーン
Amazonキャンペーンとは、限られた期間内に買ってくれた人に特典を用意して、書籍の販売を促進する方法です。
Amazonキャンペーンについては賛否両論ありますが、私の体感としては、無名の著者が行うプロモーションとして一番効果的な販促戦略だといえます。
あらかじめ決められた期間内に集中的に買ってもらうことによって、書籍の人気ランキングが上がっていきます。
するとそのランキングを見た人が、気になって、買ってくれたりしますし、実際に上位表示されていることでセミナーや講演の依頼が舞い込んだという著者もいました。
ランキングの上位を獲得することで、その後の書籍のプロモーションもやりやすくなりますし、キャンペーンに申し込んでくれた人たちのリストを集めることもできます。
書籍の購入数が増えれば、増刷されるまでの期間も短くできるのですから、著者としてはいくつもメリットを享受できます。
SNSによるプロモーション
SNSを使ったプロモーションも有効です。
SNSのプロモーションでは、時期を利用して、クリスマスキャンペーンやお年玉キャンペーンといった形で、書籍の存在をPRします。
SNS広告を使ったプロモーションも効果的です。
ブログでのセールス
自分のブログがある人は、そのブログを使ってセールスすることも考えてみましょう。
ブログのサイドバーなどで直接的なPRをすることもできますが、記事の中で、自然な文脈で誘導できると、売り込み感が少なくなります。
ブログの場合は、検索エンジン経由の訪問者もいますから、書籍に関係する検索キーワードでアクセスしてきた読者に対しては、最終的に書籍の販売ページへ誘導できるように設計しておくといいでしょう。
Amazonキャンペーンのポイント
先ほども伝えましたが、Amazonキャンペーンは、著者主導で行う書籍の販促活動のうち、最も効果のある方法です。
でも、せっかくやるのでしたらきちんとした成果を残したいですよね。
では、成果を出すために、Amazonキャンペーンで何をしたらいいのでしょうか。
まずは、Amazonキャンペーンを行う流れを理解しておきましょう。
Amazonキャンペーンを行うときは、最初にキャンペーンを行う日程を決めてください。
日程のルールはありませんが、ネットがよく見られる火曜日から木曜日の間に行うのがオススメです。
Amazonキャンペーンは、書籍を購入してくれた人へ特典を用意することで、よりたくさんの多くの人に購入してもらう企画です。
なので、何を特典にするかを決め、キャンペーン用のランディングページを作成してください。
キャンペーンの2週間前になったら、キャンペーンを応援してくれるグループを作成し、そのグループへ応援者を集めましょう。
あまり早くから集めてしまうと、肝心のキャンペーン当日に盛り上がらず失敗に終わってしまいます。
2週間かけて応援者を集めたら、キャンペーンで何をして欲しいのか、徐々に教育していってください。
ちなみに、「応援してください」と言うだけでは買ってもらえません。
「購入してください」と、相手にして欲しいことをはっきり伝えてなければ人は動きません。
買って応援したくなるような努力は必要ですが、訴求の仕方にも気を配ってください。
先ほどの図のような流れでキャンペーンを実施していくのですが、キャンペーンを行う上でのポイントは次のようなものがあります。
- ランキングも大事だが、実際は部数の方が大事
- 可能なら予約段階で開催すること
- 友達がパソコンの前にいるタイミングに投稿する
- 特典は、全員配布と抽選の2種類用意する
- 特典の内容は、著者らしさが重要
- 友達に買ってもらうだけでは無意味
- 友達がシェアしやすい内容を提供する
- 心のこもっていないと感じさせるので、定型文は配布しない
- 出版が決まった時から情報発信を始めていく
- 2週間前ぐらいから盛り上げていく
- 買ってくれた人や紹介してくれた人に感謝する
Amazonキャンペーンを成功させるために大切なことは、まず自分に協力してくれる人たちを、協力してあげたいという気持ちにさせることです。
そのような気持ちになってもらうためには、著者であるあなた自身の振る舞いが何より大事です。
偉そうにしていたり、応援してくれて、買ってくれて当然というような態度をしていたりでは、誰も協力してあげようとは思いません。
政治家のドブ板選挙のようにとまでは言いませんが、それに近いくらい頭を下げてもいいくらいです。
あなたはただ、出版しただけ。
著者という肩書きが増えたからといって、偉くなったわけではありません。
みんなから応援してもらえるような謙虚な態度を貫きましょう。
リアル書店での販促戦略
書籍が売れるのは、もちろんAmazonのようなネット書店だけではありません。
リアル書店にも置いてもらえるわけですから、リアル書店での販促戦略も考えていきましょう。
リアル書店での販促戦略のポイントは、できるだけ多くの書店において、書籍がきちんと売れていることを数字として表せるようにする必要があります。
書店で書籍を購入する際は、その購入者のざっくりとしたデータがPOSデータに登録されます。
例えば、男性か女性、年代のような情報です。
他に、購入された日付や時間も登録されます。
極端な話、全国の書店で売れた方がいいからといって、あなたがひとりでいろいろな書店を回って購入したところで、データに偏りが出てしまいます。
そうすると、著者の自己買いであることがすぐわかってしまうため、結果、その書籍はあまり売れていないという評価になってしまいます。
いろいろな人から書籍をリアル書店で買ってもらう方法としては、著者になったあなたが、全国でセミナーをするという方法があります。
全国でセミナーをして、そこの参加者の人たちに書店で自分の書籍を購入してもらうように促すのです。
参加者の全員が購入してくれるわけではないにせよ、誰も購入しないということはないでしょう。
セミナーで全国をまわる度に宣伝すれば、全国各地で購入者が出ます。
地道だと思われるかもしれませんが、そのような地道な活動こそ身を結びます。
書店まわりのポイント
リアル書店での販促を行うにあたり、書店まわりのポイントをお伝えしておきましょう。
書店員は、基本的にとても忙しい人たちです。
いつ行っても歓迎されるわけではありません。
嫌われてしまえば、書籍を置いてくれなくなる可能性も……。
書店まわりのポイントはお伝えしますが、あまり勝手な行動はせず、わからないことは事前に編集者に相談してみることをオススメします。
書店まわりをするときは、次のことに注意してください。
- 都内の大型店は忙しいので避ける
- 出版社から売上好調店を効く
- 地方の書店、地元や出身地の書店
- 忙しくない時間帯を狙う(午前中)
- 土日は避ける
- レジに人がいるときは話しかけない
- 負担になるような手土産はいらない
- 簡単なノベルティを作っておこう
- モノより、土産話を持っていく
- POPやサインはダメもとで
- 自分の本を売り込まずにお礼を言う
- 手短に話す
ときどき、大物著者であるかのように、横柄な態度をとる人もいるようですが、書店員からしたら、迷惑以外の何ものでもありません。
忙しい時にわざわざ自分のために時間を割いてくれているという意識を持ちましょう。
あなたの態度だけで、書籍の展開が決まるわけではありませんが、書店員だって心を持った人間です。
あなたの印象がよく、頑張っているあの著者を応援してあげたいと思ってもらえれば、少し長く置いてもらえたり、POPを置いてくれるなどして販促に協力してもらえることもあります。
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