書籍の原稿には書き方がある

 

原稿はいきなり最初から書き始めると失敗する

原稿は、いきなり最初から書こうとすると失敗します。

 

これまでに何人もの著者の原稿を見てきましたが、いきなり最初から書き始める人ほど、途中で挫折しています。

原稿の書き始めは、やはりモチベーションも高まっていますし、読者に伝えたいこともたくさん頭の中に浮かんでくるので、一時的に筆が走ります。

なんとなくその勢いで最後まで書けてしまうのではと思っていますが、書籍の原稿は大体10万字。

最後までそのペースを維持して書き続けることは、まずあり得ないでしょう。

 

多くの人の傾向として、前半ほどたくさんの情報があり、後半が尻つぼみになっていきます。

段々と書くことが尽きてくるのか、読めば読むほど、薄い内容になっていく原稿が多いです。

 

また、同じ話が繰り返されるようなことも起こりがちです。

 

10万字という大量の文字をたった1日で書ける人はいません。

ということは、何日にも分けて原稿を書くわけです。

例えば、今日は1章を書き、明日は2章、次の週には3章を書く……。

という感じです。

多くの著者が、自分の本業をしながら書籍の原稿を執筆していますから、執筆そのものに取り掛かれる時間が限られているのですね。

 

そうして長い時間をかけて原稿を書いていると、数日前に自分が何を書いたのかを忘れてしまいます。

忘れたまま、また原稿の続きを書こうとしますから、同じ話が何度も繰り返されるようなことが起きてくるというわけです。

 

思いついたままを書くことで、話がどんどん逸れていく人も多いです。

ゴールを見定めずに思いのまま書いてしまうので、どこへ向かって話を進めていいのかわからないのです。

思いついたまま書くという事に対し、感性が豊かで良いなどと感じる人もいるかもしれませんが、実用書は気ままに綴るブログではありません。

 

実用書の原稿というのは、あくまで読者の悩みや欲求を解決するために書かれるもの。

ということは、自分の思いのままに書いていいわけがないのです。

しかもブログとは違い、読者からお金を出してもらって提供するコンテンツです。

ということは、内容にも相応の質が求められて当然です。

 

原稿執筆におけるさまざまな失敗を防ぐには、原稿全体を俯瞰して見る力を持つことが大切です。

全体を俯瞰し、重複のないように、そして読者と約束したゴールに向かってきちんと話が流れているかを、あらかじめ設計しておく必要があります。

 

原稿執筆は段取りよく取り組むと意外と簡単

では、全体を俯瞰して原稿を執筆するにはどうすれば良いのでしょうか。

実は、そんなに難しい話ではありません。

原稿執筆に取り掛かる前にしっかりと、ある準備を行えれば、大変と思われる原稿執筆も意外とスムーズに進みます。

 

私自身も書籍の原稿を執筆することがありますが、大体準備に2週間くらい使います。

その2週間の間にきっちり執筆のための準備を行うことで、その後の執筆作業がスムーズになります。

さらに執筆はそこから2週間ほど。

こうすると約1ヶ月もあれば、原稿は書けてしまいます。

 

では実際、どのようにして原稿執筆を行うのでしょうか。

まずは、原稿執筆全体の流れについて説明しましょう。

 

 

最初にすべきことは、出版する目的を再確認することです。

あなたは何のために出版し、そのためには読者に何を伝えるべきなのか。

そんなことを思い出してみて欲しいです。

 

次に、原稿執筆の準備をします。

先ほどもお伝えしましたが、原稿はいきなり書き始めてもうまくいきません。

原稿を書き慣れている私自身でさえ、準備なしに原稿執筆に取り掛かったら、かなり時間がかかってしまうでしょう。

 

準備ができたら、一気に最後まで原稿を書き上げてしまいます。

この時、途中で推敲などはしないでください。

とにかく最後まで、振り向かずに書くこと。

これを意識しましょう。

 

最後まで一気に書き上げることができたら、ここでようやく推敲作業です。

書き上がってからすぐに推敲するのではなく、少し寝かしてから行うのがオススメです。

頭の中がヒートアップしている時に推敲を行っても、見落としが多かったり主張に偏りがあったりするのに気付けません。

一度、熱した頭を冷やすことが大事なのです。

 


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