書き終わった原稿は少し寝かしてから推敲する

 

原稿の推敲は3日寝かせて、3回チェック

苦労して書いた原稿執筆も、いよいよ終盤です。

書き終わった勢いで「できました!」と編集者に送ってしまいたい気持ちもあるでしょうが、それはもう少しだけ我慢してください。

最後まで原稿が書き終わったら、次にすべきことは推敲です。

すぐに推敲しても、客観的な視点に欠けます。

ですから、少なくとも2、3日は寝かしておきましょう。

 

原稿の推敲は、全部で3回行います。

1回目は原稿の内容のチェックです。

2回目は文章の細部、文末の表現や表記ゆれ、誤字脱字がないかどうかをチェックします。

そして最後に仕上げのチェックです。

 

最初に原稿の内容のチェックをする

とにかく後ろを振り向かずにゴールを目指してひたすら書いてきた原稿ですから、おそらくたくさん直したいところが出てくるはずです。

1回目の推敲の時は、読者がつまずくところはないかどうか、あるいはかゆいところまで手が届いているかどうかを重点的にチェックしてみてください。

繰り返しますが、読者に疑問を抱かせるということは、そこで書籍が読まれなくなるということを意味します。

最後まで読んでもらえなければ、あなたと読者の信頼関係が結ばれることはおろか、一番の目的であるビジネスを加速させることが達成されません。

 

その目的を達成するためにも、読者に疑問を抱かせないこと、途中で読むのをやめないような内容になっているかどうかを、冷静になって見直して欲しいのです。

また、読者のかゆいところまで手が届くとは、どういうことでしょうか。

 

それは、読者の気持ちになって読んだときに、きちんと隅々まで理解できるような内容になっているかどうかということです。

 

次の図をみてください。

 

 

読者の多くは、あなたが書籍の中で伝えたいことを何も知らない状態で書籍を手に取ります。

ということは、読者は図のように道の入り口に立っているような状態です。

入り口からゴールまでにはさまざまな分岐点がありますが、図の中の分岐点は、読者が陥りやすい悩みポイントを表しています。

 

あなたは既に専門家となっているわけですから、ゴール側からスタート地点を見つめます。

ゴール側から見ると道は一本道に見えますが、実はところどころに分岐点があるのです。

 

この図のように、あなたが今のような専門家という立場になるまでには、あなたにも必ず悩みがあったはず。

ここでは、そのことを思い出して欲しいのです。

 

その道のプロあるいは専門家になると、どんなことで悩んでいたかをすっかり忘れてしまいがちです。

でも、書籍で解説する時は、その悩みをきちんと思い出し、それぞれ丁寧に解説してあげる必要があります。

誰ひとりとして、落ちこぼれを作らない。

そんな気持ちでチェックしてみると良いでしょう。

 

次に文章の細部をチェックする

原稿の内容がチェックできたら、次は文章の細かいところをチェックしていきます。

 

ここで行うチェックは、文章を読みながらチェックするというよりも、文字の羅列をチェックするというような感覚で見ると良いです。

文章を読むつもりでチェックすると、どうしても言い回しを変えたくなったり、もっと付け加えたいと思ったりしてしまいます。

 

それがどうしても必要なものならいいのですが、大切なことは、加えるよりも削ること。

ですから、シンプルに文章の細部をチェックするようにしてください。

 

文章の細部をチェックするのに必要なことは、次のようなことです。

 

チェックリストとしても使っていただけるようにしましたので、ぜひ活用してみてください。

    • 用語や送り仮名、文体は統一されていますか?
    • 誤字脱字や数字表記の揺れはありませんか?
    • 外来語や固有名詞は正しいものになっていますか?
    • 約物の使い方、太字やマーカーのルールは統一されていますか?
    • 漢字を使いすぎていませんか?□代名詞が多すぎていませんか?
    • 「〜と思う」「〜だろう」が多いなど、頼りない印象がありませんか?
    • 一文一文が長くなっていませんか・
    • 口語体の文章や、ら抜き言葉がありませんか?
    • 不快な表現や行き過ぎた表現がありませんか?
    • 引用や写真などの権利関係の確認は済んでいますか?

 

最後に仕上げのチェックをする

ここまでチェックできたら、最後は仕上げのチェックです。

仕上げのチェックとしては、次のようなことを行ってください。

書体や組み替えをしてチェックしてみる

原稿の書体を変えてみたり、横書きあるいは縦書きに変えてみたりすると、執筆時には気付けなかったことを発見できることがあります。

いろいろなパターンで音読してみる

次に、実際に声を出して音読してみてください。

音読する時は、少し早めに読んだり、遅めに読んだりしながら、文章のテンポを確認します。

原稿の書き方を説明したところでは、テンポよく読めることが大事だとお伝えしました。

実際に読んだときに、自分の原稿がそのようになっているのかどうかを確認しましょう。

タイトルにキーワードを入れていく

最後に、タイトルにキーワードを入れてください。

このキーワードとは、読者がネットで検索するときに入力するであろうキーワードを指します。

章タイトル、節タイトル、項の見出しは、書籍の目次としてネットで表示されますから、ネット検索されたときにきちんと探してもらえるように、キーワードを入れておきましょう。

 

自分で売りたくなる書籍になっていたら完璧

原稿の推敲が終わると、ようやく編集者へ送ることができます。

編集者へ原稿を送ってしばらくすると、あなたの元には「ゲラ」と呼ばれる原稿が届きます。

ゲラとは、あなたが書いた原稿をもとに、編集者が編集した原稿のことです。

ゲラが届いたら、読者になったつもりで読んでみましょう。

その際に気をつけることは次の3つです。

ビジネスにつながりそうか?

届いた原稿を読んで、あなたのビジネスに申し込みたくなるかどうかを考えてみてください。

もしそういう気持ちにならないと感じるのであれば、何をどうすればそうなりそうなのかを考えます。

出口戦略はできているか?

書籍を読んで感情が高まり、何か自分もやってみたいと思った読者が行動に移す際、自分のビジネスに誘導できるようになっているでしょうか。

 

書籍の最後に書かれる著者プロフィールに自分のホームページやブログ、SNSのURLを掲載するほか、リスト獲得のためのページも用意してください。

あからさまにメルマガに登録させるようなページを掲載すると、「メールアドレスの取得が目的なの?」と敬遠されかねません。

本文中で扱ったワークをダウンロードできるようにするなど、さりげなく獲得できる工夫があると良いでしょう。

 

それから、「終わりに」の本文中で、読者に向けて親切なメッセージをひと言添えておくのもオススメです。

「もし何か困ったら、気軽に質問してください」と書いておくと、読者も「信頼できそうな人だな」と思ってくれます。

大量に送られてきても対応できないかもしれないと思うかもしれませんが、実際は100通くらい届けば良いほう。

対応できないほど送られてくることは滅多にありません。

Amazonのレビューもチェックしよう

Amazonなどネット書店のレビューも確認しておきましょう。

どんなことが書かれているのか、その内容をチェックして、自分の書いた内容にも言えるようなことがないかを確認します。

もし、「このまま刊行したら、自分も同じことを言われそう……」などと思うことがあるなら、その要素をきちんと潰しておきましょう。

 

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